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派遣社員のメリット・デメリット|給与事情や正社員になる方法を解説

派遣社員のメリット・デメリット|給与事情や正社員になる方法を解説
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5円くん

派遣社員って早く帰れるし、転勤や異動もないから憧れるんだよね。

社労士 きた

一般的にはそう感じるかもしれないけど、メリットだけじゃないよ…

5円くん

確かに給与と将来性に不安があるかも…

社労士 きた

そうだよね。詳しく解説するね!

派遣社員は、スキルを活かして残業せずに働いているイメージがある一方で、将来性に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、派遣社員のメリット・デメリットや給与事情、将来性を詳しく解説します。

派遣の仕組みや将来性を理解するためにも、派遣社員の働き方を学びましょう。

この記事でわかること
  • 派遣の種類
  • 派遣のルール
  • 派遣で働くメリット・デメリット
  • 派遣社員の将来性
大河内さん

派遣社員も働き方の選択肢の一つ!まず知ることが大事だよ!

派遣社員とは

派遣のメリデメ_①派遣契約

派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結んで、派遣先の指揮命令で働く人のことです。

一般的に派遣社員は、以下の3種類に分かれています。

  • 登録型派遣
  • 常用型派遣(無期雇用派遣)
  • 紹介予定派遣

登録型派遣 

登録型派遣とは、派遣会社に希望の職種やスキルを登録して、条件にあった派遣先を紹介してもらう働き方です。

派遣先で働く期間のみ給与が発生する契約であるため、基本的には派遣先の就業期間が終了すると雇用契約も終了します。

常用型派遣(無期雇用派遣)

常用型派遣とは、派遣会社の社員として雇用されている派遣社員のことです。

登録型派遣と違い、派遣先での就業期間が終了しても派遣会社との雇用関係は継続します。

そのため、派遣先が見つからない期間も給与が支給されるのが特徴です。

社労士 きた

建設系や技術系など、長期プロジェクトの仕事で常用型の派遣社員が活躍してるよ!

紹介予定派遣 

紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間働き、数ヶ月後に派遣先の社員となることが約束された雇用形態です。

求人票に「紹介予定派遣」と書かれていれば、数ヶ月後に派遣先の社員になれる可能性があります。

派遣期間は試用期間として考えられ、期間終了後に正社員や契約社員、パートとして雇用されます。

派遣の3つのルール

派遣は、労働者派遣法で一定のルールが定められています。

労働者派遣法の主なルール
  • 3年ルール
  • 5年ルール(無期転換ルール)
  • 業務制限のルール

それぞれを詳しく解説します。

3年ルール

登録型派遣には、「同じ会社の同じ部署で働ける期間が3年間まで」というルールがあります。

たとえば、A社の総務課に派遣された人が3年務めた場合は、営業課など他の部署に異動する、または別の会社で働かなければならないということです。

ただし、常用型派遣の派遣社員は3年ルールの対象外となります。

5円くん

なんで3年ルールがあるの?

社労士 きた

派遣社員が何年も滞在していると、派遣先で正社員として雇用される人が減ってしまうからだよ!

5年ルール(無期転換ルール)

法律では雇用期間が5年を超えると、無期雇用に転換できるルールがあります。

このルールは、登録型派遣の社員にも適用されます。

出典:厚生労働省「無期転換ルールについて

たとえば、A社で3年間働いた人は、その後B社で2年働けば、派遣会社(派遣元)の無期派遣社員(常用型派遣)として働けます。

ただし、次の派遣期間まで6ヶ月以上あくと、前の期間は基本的に通算されなくなってしまうので注意が必要です。 

社労士 きた

A社で3年働いてからB社で2年働いても、空白期間が6ヶ月以上あると通算されないということだよ!無期転換のルールはこちらの記事で詳しく解説してるよ!

業務制限のルール 

派遣社員は、契約した業務以外は行うことができないルールになっています。

たとえば、受付業務を行っている派遣社員に経理業務を手伝ってもらうことは基本的にできないということです。

もし派遣先から契約外の業務を依頼された場合は、「契約外の業務の可能性があるので、派遣会社の担当に確認します」と伝え、派遣会社の担当者または人事の担当者に相談するとよいでしょう。

派遣社員のメリット

派遣社員で働くメリットは以下の3つです。

派遣社員で働くメリット
  • 時間の融通が利く
  • さまざまな業界や企業で経験を積める
  • パート・アルバイトより高収入を得やすい

それぞれを詳しく解説します。

時間の融通が利く

基本的に派遣社員は勤務地や業務が限定され、時間帯も希望に合うものを選択できます。

また、仕事によっては残業や休日出勤がほとんどない仕事もあるため、プライベートの時間を確保しやすいのがメリットです。

さまざまな業界や企業で経験を積める

派遣社員は、複数の会社を転々としながら働くのが一般的です。

さまざまな業界で経験が積めるため、ノウハウやスキルが貯まりやすくなります。

パート・アルバイトより高収入を得やすい

派遣社員は、ある程度スキルを持っていることが前提となるため、パート・アルバイトより収入が高くなる傾向にあります。

専門的な業務や外資系の派遣であれば、一般の正社員の給与よりも高くなる可能性があるため、あえて派遣を選択する人もいます。

派遣社員のデメリット

派遣社員で働くデメリットは以下の3つです。

派遣社員で働くデメリット
  • 賞与がでない
  • 雇用が不安定
  • 同じ職場で3年以上働けない

それぞれを詳しく解説します。

賞与がでない

基本的に派遣社員は賞与(ボーナス)が支給されません。

なぜなら、基本的に派遣社員の時給は賞与の分も含めて計算されているからです。

そのため、賞与が支給されるケースは少ないのが特徴です。

雇用が不安定になりやすい

派遣社員は、人手不足を補う人材として雇用されているため、派遣先が経営難になった場合やプロジェクトが打ち切られた場合は、解雇されやすくなります。

「派遣切り」という言葉があるように、人件費削減のために派遣から解雇されやすいことを覚えておきましょう。

同じ職場で3年以上働けない

登録型派遣の場合、3年ルールがあるため同じ職場(部署)で3年を超えて働けません。

そのため、次の派遣先が決まっていなければ、3年後には仕事がなくなる可能性があります。

あくまでも期間限定で働く雇用形態ということを覚えておきましょう。

派遣社員の将来性

派遣社員の将来性が気になる方もいるでしょう。

ここでは以下2つのことについて詳しく解説します。

派遣社員の給与事情

日本人材派遣協会の調査では、派遣社員の業種別平均時給は以下のような結果が出ています。 

  • IT技術・通信(1,953円)
  • クリエイティブ系(1,682円)
  • 営業・販売・サービス系(1509円)
  • 事務職(1,495円)
  • 製造・軽作業(1,209円)

IT系が高単価になっており、現在の需要の高さがうかがえます。

また、デザイナーやライターなどのクリエイティブ系も時給が高くなっているようです。

派遣業界の需要

派遣社員 メリット デメリット 需要
一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣会社数の市場規模

同じく、日本人材派遣協会の調査では、派遣業界の市場規模は増加傾向にあるという結果が出ています。

新型コロナウイルスによる規制が緩和され、人手不足が進むなかで派遣社員の需要が増加していると考えられます。

5円くん

ChatGPTみたいなAIが浸透すれば派遣の需要が少なくなりそう…

社労士 きた

確かに単純作業はシステムやAIに置き換わる可能性が高いね。何かしらのスキルを身につけることが大切だよ!

派遣社員から正社員へステップアップする方法

最後に派遣社員から正社員へステップアップする方法を解説します。

派遣から正社員にステップアップする方法は以下の3つです。

  • 紹介予定派遣で働く
  • 派遣先に登用される
  • 派遣の経験を活かして転職する

紹介予定派遣で働く

紹介予定派遣は、派遣先の社員となることが予定されているため、正社員になれる可能性があります。

ただし、派遣から正社員になったあとの待遇をよく確認しておくことが大切です。

派遣として入社した会社がブラック企業だった場合は、正社員になるのは断った方がよいでしょう。

派遣先に登用される

仕事の成果が認められて、派遣先の上司に「3年以上いてほしい」と思ってもらえれば、派遣先の正社員に登用されることがあります。

会社も採用コストをかけることなく優秀な人材を確保したいため、働きぶりが認められれば正社員になれる可能性があります。

派遣の経験を活かして転職する

派遣社員として3年働くことで、今まで経験不足で応募できなかった求人に応募できるようになります。

たとえば、中途採用の条件が「実務経験3年以上」としている企業にも、派遣社員の経験があれば応募条件を満たせるということです。

そのため、いったん派遣で経験を積んで正社員を目指すキャリア形成も可能です。

社労士 きた

転職の流れや、おすすめの転職サイトは、この記事で詳しく解説してるよ!

まとめ:キャリアの選択肢に派遣社員がある

派遣社員は、仕事や期間を限定して働く雇用形態です。

プライベートの時間を確保できる一方、雇用の継続が不安定な部分があります。

仕事の経験を積んでスキルアップする期間にしたり、プライベートを優先する期間にしたりするなど、自身の状況に合わせて「派遣」という選択肢もあることを覚えておきましょう。

  • 派遣は「登録・常用・紹介」の3種類がある
  • 登録型派遣は同じ会社(部署)で働けるのは3年まで
  • 派遣の需要は増加傾向にある

これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。

それでは今日も素敵な一日を。

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