いま契約社員で働いて5年目なんだけど、無期雇用にしてもらえるって本当?
本当だよ!5年を超えて働いたら無期雇用に転換できるルールがあるんだ
そうなんだ!じゃあ正社員になれるってことだね!
残念ながら正社員と無期雇用は違うんだよね。詳しく解説するね!
期間を定めて働いている人は、原則5年を超えて働くと契約期間のない無期雇用に転換できるルールがあります。
しかし無期転換をすれば、必ず正社員になれるというわけではありません。
今回は、無期転換のメリット・デメリットや正社員との違いを解説します。
いま契約社員として5年を超えて働いている人(働く予定の人)は、無期雇用になれる権利があるので、ぜひご覧ください。
- 無期転換ルール
- 無期転換のメリット・デメリット
- 正社員と無期雇用の違い
無期転換のメリット・デメリットを理解して今後のキャリアを決めよう!
無期転換とは
無期転換とは、有期雇用労働者(期間を定めて働く人)が期間の定めのない雇用契約に転換できる制度のことです。
有期雇用で働く人が職を失うリスクを減らして、継続的な雇用をするための制度として設けられました。
契約社員やアルバイト、派遣社員など雇用形態に関わらず条件を満たせば無期転換ができるようになるよ!
無期転換ルール
無期転換は、原則入社してから5年を超えた人が会社に申し込むことで転換できるルールとなっています。
そして、会社はその申し出を拒否することはできません。
そのため、5年を超えてから「無期雇用になりたい」と言えばだれでも無期転換が可能です。
正式に無期転換されるのは、申込時の労働契約が終了する日の翌日からになります。
3年契約で働いている人は、1度契約が更新されれば6年勤めることになるため、下図のように1回目の更新で無期転換の権利が発生します。
なお、定年後に有期雇用で働く人は無期転換の対象外です。
たとえば、60歳で定年退職したあとに契約社員として再雇用され、65歳まで働いたとしても66歳から無期雇用にはなれないということです。
正社員との違い
無期雇用として雇用されても正社員になれるとは限りません。
会社によっては「無期雇用社員」として正社員とは別の雇用形態が設けられており、正社員と待遇が異なる場合があります。
そのため、無期転換をしても「無期契約」が保障されるだけで、必ずしも正社員になれるわけではないことを覚えておきましょう。
2024年4月からの改正点
2024年4月から法改正により、無期転換できるタイミングごとに、会社から無期転換の申し込みができることが明示されるようになります。
労働者側からすると、5年を超えた更新のタイミングごとに無期転換後の労働条件が提示されるということです。
2024年4月からは、無期転換後の条件が明確になり、更新のたびに転換するかどうかの判断がしやすくなります。
会社には無期転換できることを教える義務がないんだね。
だから無期転換について知らない人が多いんだよね。
無期転換のメリット
無期転換のメリットは以下の2つです。
- 雇止めのリスクがなくなる
- 待遇が良くなる可能性がある
それぞれを詳しく解説します。
雇止めのリスクがなくなる
契約期間がない無期転換は、雇止めのリスクがなくなり、更新の時期が近づくたびに「次回更新してもらえるかな」と不安を感じる必要がありません。
基本的に会社の経営が悪化しない限り、解雇されることがないため、安心して働けます。
待遇が良くなる可能性がある
会社によっては、無期転換することで月給制になったり、賞与が支給されたりなど待遇が良くなる場合もあります。
無期転換後の労働時間や休日日数などは、就業規則に記載されている場合があるので、事前に確認しておきましょう。
なお、無期転換したあとの個別の労働条件は、2024年4月以降に必ず明示されるため、給与や賞与については契約更新時に確認できるようになります。
無期転換のデメリット
無期転換のデメリットは以下の2つです。
- 辞めにくくなる
- 異動になる可能性がある
それぞれを詳しく解説します。
辞めにくくなる
無期雇用になると契約の更新がない分、自ら退職を申し出ない限り辞めることはできません。
そのため、有期雇用のように「次回は更新しない」と伝える機会がなく、会社を辞めにくくなります。
なお、無期雇用後に退職する際は、正社員と同様に正式な退職手続きが必要です。
退職の手続きは、こちらの記事を参考にしてね!
異動になる可能性がある
無期雇用では、長期雇用が保証される一方、何年も同じ部署で同じ仕事を続けられるとは限りません。
いつかは異動になる可能性があることを覚えておきましょう。
異動があるかは、就業規則や雇用契約の内容によって異なります。
労働条件をよく確認してから無期転換を申し込みましょう。
無期転換でよくある質問
無期転換ルールは、一般の方にはわかりづらいところがあります。
ここでは、無期転換でよくある3つの質問に回答します。
5年を超えたら自動的に無期雇用になりますか?
無期転換は「自ら申込みをした場合」に契約が成立します。
雇用期間が5年を超えても自動的に無期雇用になることはありません。
派遣社員でも無期転換できますか?
派遣社員でも通算の契約期間が5年を超えた場合は無期転換が可能です。
無期転換した場合は、派遣元(派遣会社)の無期契約社員になります。
ただし、労働者派遣法の制限によって派遣先で同じ部署で働ける期間は3年が限度となっているため、通算で5年を超える必要があります。
たとえば、A社で経理を3年、人事を2年勤めてはじめて無期転換できるということです。
なお、無期雇用派遣になったあとは派遣先での3年ルールがなくなります。
無期雇用になる前に雇止めになる可能性はありますか?
無期雇用を回避するための解雇は、原則として認められていませんが、会社によって事情は異なるため、必ずしも違法とは限りません。
厚生労働省も、会社が更新回数の上限を設けることが即座に違法となるわけではないとの見解を示しています。
ただし、雇用契約時に更新上限が明示されていなかったにもかかわらず、無期転換の直前に上限が設定された場合は違法行為となり、解雇が無効となる可能性があります。
雇用契約書に「5年が上限」と書いてあれば無期転換ができないから注意してね!
わ、よく見たら雇用契約書に5年が上限って書いてある…
それは次の会社を探さないといけないね。転職のやり方は以下の記事で詳しく解説しているよ!
まとめ:無期転換で正社員になれるとは限らない
雇用期間が5年を超えると無期雇用に転換できるようになります。
ただし「無期契約」が保障されるだけで正社員になれるとは限りません。
一方で、今の会社に長く勤めたい場合は、無期転換をすることで安定した雇用を確保できます。
無期転換を希望する際は、労働条件をよく確認したうえで申し込みましょう。
- 入社から5年を超えると無期転換が可能
- 「無期転換 = 正社員」ではない
- 雇止めリスクがなくなるが辞めにくくなる
これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。
それでは今日も素敵な一日を。
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