ボーナスから引かれる所得税と社会保険料って高くない?なんでこんなに引かれるの!
それは給与とボーナスで計算方法が違うからだよ。
え、どうやって計算されてるの?
賞与(ボーナス)の明細書を見たときに
「所得税と社会保険料が高すぎる」
と感じている方は多いのではないでしょうか。
それは給与と賞与で計算方法が異なっているためです。
今回は、賞与の所得税と社会保険料がどのように計算されているかを詳しく解説します。
賞与が支給されるたびに「なんでこんなに高いんだろう?」と疑問に思っている方は、ぜひご覧ください。
- 賞与から引かれる所得税と社会保険料の金額
- 賞与の手取り額
- 賞与から社会保険料が引かれないケース
社会保険料と税金が、どのように賞与から引かれているかを確認しよう!
賞与から引かれるもの
賞与から主に引かれるものは、以下のとおりです。
- 所得税
- 健康保険料
- 介護保険料(40歳~)
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
社会保険料は「健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料」のことをいい、社会保険に加入している場合に賞与から引かれます。
社会保険の種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
また、会社で財形や生命保険などに加入している場合は、賞与から一定の金額が引かれます。
なお、基本的に賞与から住民税は引かれないので、配布された賞与明細書で何が引かれているのかを確認しておきましょう。
賞与にかかる所得税と社会保険料の計算方法
賞与にかかる所得税と社会保険料は、それぞれ計算方法が異なります。
所得税と社会保険料ごとに詳しく解説します。
所得税
賞与から引かれる所得税は、賞与月の前月の給与額で決まります。
具体的には、前月の給与額と扶養の人数をもとに以下の「源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて計算されます。
たとえば、前月の給与が30万円、扶養人数が1人だった場合、「6.126%」を賞与額にかけるということです。
そのため、賞与が高額になっても前月の給与額が少ない場合は、所得税が少なくなります。
え、じゃあ前月の給与額が少ない方が得になるじゃん!
最終的に年末調整で正しい所得税が計算されるから得することはないよ!
そういうことか…。裏技はないんだね。
社会保険料
賞与の社会保険料は、賞与額に保険料率をかけて計算します。
保険料率は加入している健保や日本年金機構のホームページで確認ができますが、一般的な料率は以下のとおりです。
- 健康保険:5%
- 介護保険:0.91%
- 厚生年金保険:9.15%
- 雇用保険:0.6%
なお、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の3つは、1,000円未満を切り捨てて料率をかけますが、雇用保険料は切り捨てずに算出する違いがあります。
また、社会保険料には図のような上限があり、健康保険は年間賞与額(4月1日から3月31日)が573万円、厚生年金保険料は1回の賞与額が150万円までとなります。
たとえば、賞与が年間600万円支給された場合は、27万円分(600万円-573万円)の健康保険料がかからないということです。
厚生年金保険料も同様に月間150万円を超える賞与に対しては厚生年金保険料がかかりません。
賞与の支給額が多いと、社会保険料を安く抑えられるんだね!
賞与の手取り額
賞与の手取り額は以下のように計算されます。
賞与の手取り額=賞与-(所得税+健康保険料+介護保険料+厚生年金保険料+雇用保険料)
具体例を見ていきましょう。
条件
賞与額:500,000円
年齢:30歳
扶養人数:1人
前月の給与:250,000円
計算内容
賞与額:500,000円
所得税:8,723円
健康保険料:25,000円
介護保険料:0円
厚生年金保険料:45,750円
雇用保険料:3,000円
手取り額:417,527円
条件
賞与額:1,000,000円
年齢:50歳
扶養人数:2人
前月の給与:400,000円
計算内容
賞与額:1,000,000円
所得税:51,841円
健康保険料:500,000円
介護保険料:9,100円
厚生年金保険料:91,500円
雇用保険料:6,000円
手取り額:791,559円
このように賞与額が多くなれば、当然引かれる額も多くなります。
また、基本的に所得税より社会保険料の方が高くなる傾向があるため、社会保険料がどのくらい引かれるのかを意識した方がよいでしょう。
こんなに引かれるんだ…
賞与の手取り額は支給額の約8割と覚えておこうね。
賞与から社会保険料が引かれないケース
以下のケースでは、賞与から社会保険料が引かれません。
- 産休・育休中
- 賞与月の途中で退職
それぞれを詳しく解説します。
産休・育休中
法律上、産休・育休中は社会保険料が免除になるため、賞与が支払われても社会保険料が引かれません。
また、月末時点で育休に入っていれば、休暇前に受け取った賞与であっても社会保険料がかからないので、ご自身の賞与明細を確認しておきましょう。
たとえば、6月20日から育休に入る場合、6月10日に支払われる賞与からは社会保険料が引かれないということです。
ただし、育休期間が1ヶ月未満の場合は、社会保険料が免除されないので注意しましょう。
産休・育休制度については、こちらの記事で詳しく解説してるよ!
賞与月の途中で退職
社会保険料は月の途中で退職すると、その月分の保険料が徴収されないという仕組みになっています。
そのため、賞与月の途中で退職すると社会保険料が引かれません。
たとえば、6月20日に退職する場合、6月10日に支給される賞与から社会保険料が引かれないということです。
ただし、賞与月の月末に退職する場合はその月に支払われる賞与から社会保険料が引かれるので注意しましょう。
これは社会保険の資格は退職日の翌日に喪失すると法律で定められているためです。
社会保険料は資格喪失日を基準に引かれる月が決まるため、月末に退職した場合は翌月1日が喪失日となります。
じゃあ賞与をもらって退職するときは、月末を避けた方が得なんだね!
賞与月の途中で退職する人に賞与を支給しない会社もあるから気をつけてね!
まとめ:賞与の手取り額は支給額の約8割
賞与の手取り額は、所得税や社会保険料が引かれるため、支給額の約8割になります。
しかし、手取り額だけを意識するのではなく、所得税や社会保険料がどのように引かれているかを知ることも大切です。
会社員に関係性が深い、給与や賞与の仕組みを理解しながら、お金の知識を身につけていきましょう。
給与の社会保険料や退職後の社会保険料については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。
それでは今日も素敵な一日を。
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