今月の残業が120時間…。休日も仕事だし、生きてるのがつらくなってきた…
5円くん、月120時間は過労死ラインを超えているよ!
仕事を休んだら怒られるし、休めないよ…
仕事より命が大事!過労死について知っておいた方がいいよ!
「過労死」とは、働きすぎによって健康障害が起こり、命を落とすことです。
政府は過労死リスクが高くなる労働時間の基準を「過労死ライン」として設けており、このラインを超える労働は、命にかかわる危険性があります。
そこで今回は、過労死ラインとは何か、労働時間の上限はどのくらいか、そして過労死を回避する方法を解説します。
もし、あなたが働きすぎていたり、過労死の危険性を感じていたりするのであれば、ぜひこの記事を読んでみてください。
- 過労死ラインの目安時間
- 過労死が労災認定されるか
- 過労死する前にやるべきこと
仕事やお金は大事だけど、死ぬまで働く必要はないよ!
過労死とは
過労死とは、仕事による過剰なストレスや過度の疲労が原因で脳・心臓疾患や精神疾患を発病し、命を落とすことを指します。
たとえば、ストレスや疲労がたまり、うつ病などの精神疾患を発症して、自殺してしまうことも過労死の一つです。
脳・心臓疾患の前兆として、しびれや激しい頭痛、呼吸の乱れが起こり、精神疾患は何をするにもやる気が出なかったり、疲れているはずなのに眠れなかったりなどの症状が現れます。
これらの前兆が現れた場合は過労死になる恐れがあるため、早めに病院で検査を受けましょう。
過労死ラインとは?
過労死ラインとは、脳・心臓疾患や精神疾患のリスクが高まる残業時間の目安を指します。
過労死ラインを超えた長時間労働は、健康に悪影響を及ぼすリスクが高まり、命に関わる可能性があります。
現在働いている方は、過労死ラインの目安時間を確認しておきましょう。
過労死ラインの目安時間
厚生労働省は、月100時間または2~6ヶ月間にわたって月80時間を超える残業は過労死のリスクが相当高いことから、この時間を「過労死ライン」としています。
たとえば、出勤日数が月20日の方は、1日5時間以上の残業(13時間労働)をすると月100時間の残業となるので過労死ラインを超えてしまいます。
過労死ラインを超える残業をしていなくても、残業時間が月45時間を超えると徐々に健康障害のリスクが高まるといわれており、過労死する危険性があることを覚えておきましょう。
なお、過労死ラインには日や週の残業時間の目安は決められていませんが、毎日徹夜で働き続けると短期間でも過労死のリスクが高まるため、注意が必要です。
月100時間なんか余裕で超えてるよ!でも会社は休ませてくれない…
いわゆるブラック企業だね…。この記事を参考に早く逃げた方がいいかもしれないよ。
過労死ラインを超えていなくても危険
過労死ラインを超えていなくても、連続勤務や深夜勤務の頻度、職場で受けたハラスメントなどから過労死につながる可能性もあります。
- 3ヶ月連続で月60時間以上の残業をしながら、上司からパワハラを受けている
- 休日を6ヶ月以上とることなく連続勤務している
過労死ラインを超えていなければ症状が出ないわけではないので、身体に異変を感じたときはすぐに病院で受診しましょう。
過労死は労災保険の対象になる
業務が原因で発生する過労死は、労災保険の対象になります。死亡に至らなくても、脳・心臓疾患や精神疾患の発症で労災認定されるケースもあります。
しかし、労災として認められるには業務との関連性が証明されなければいけません。
そのため、タイムカードやPCのログイン時間など、長時間労働を証明できるものを日ごろから収集しておくことが大切です。ほかにも、上司からの叱責メールや産業医との面談記録なども有効な証拠となります。
ただし、家庭内のトラブルや金銭問題でストレスを抱えていた場合は、業務外でストレスを感じていたとして、労災が認められない可能性があります。
離婚が原因で精神疾患になっても労災認定されないっていうことだね!
そういうこと。過労死の詳しい労災認定基準は厚生労働省の資料を見てね!
参考:厚生労働省「脳・心臓疾患の基準」
参考:厚生労働省「精神疾患の基準」
過労死の事例
ここからは、過労死が起きた事例を2つ紹介します。
非常に生々しい内容になっていますので、閲覧にご注意ください!
大手広告代理店の事例
当時24歳の女性が、1ヶ月に約105時間(130時間ともいわれている)の残業をして、自殺した事例です。
調査の結果、会社では勤務時間を70時間と申告させ、過労死ラインを下回る申告を強要していたことが判明しました。
「新人は死ぬほど働け!」と言われ、1日に2時間しか睡眠をとれず、1ヶ月以上も連続勤務。さらに上司からパワハラ・セクハラを受けており、産業医の面談もしていませんでした。
結果、女性は精神疾患によって自殺し、その後労災として認定されました。
この事件をきっかけに長時間労働による過労死が社会問題として大きく取り上げられ、国が「働き方改革関連法案」を施行するきっかけとなりました。
大手飲食店の事例
ある大手飲食店で当時26歳の女性が入社2ヶ月で自殺した事例です。
女性は1ヶ月あたり141時間の残業を行っており、1日15時間の勤務時間中に与えられた休憩はわずか30分でした。
具体的には、開店前の午後3時までに出勤し、平日は午前3時、週末は午前5時の閉店後も働き、帰りは始発電車まで待機を余儀なくされたそうです。
さらに、休日と早朝は研修が組まれていたため、入社後は寝る時間や休日もない状態でした。
この事件は、会社側が約1億3,300万円の賠償金を支払い、和解が成立しています。
過労死する前にやるべきこと
残業による過労死は、厳しい労働環境に置かれている方にとって、深刻な問題です。
過度な労働を強いられる会社にいる方は、過労死になる前に行動をしましょう。
- 相談窓口に相談する
- 異動願いを出す
- 休職する
- 転職する
それぞれを詳しく解説します。
相談窓口に相談する
労働基準監督署には「総合労働相談コーナー」という相談窓口があり、誰でも職場のトラブルに関する悩みや疑問を相談することができます。
長時間労働や過度なストレスで健康状態が危ぶまれるときは、第三者に相談することも有効的な手段です。
異動願いを出す
特定の部署だけ労働時間が長い場合は、異動をすることで残業時間が減る可能性があります。
ただし、「残業が当たり前」という文化が根付いている会社では、異動しても変化がない可能性が高いため、異動願いは有効な手段になりません。
また、異動願いが100%通るわけではないため、その点も留意しておく必要があります。
まずは、異動ができるか人事部などの人事異動の権限を持っている部署に相談してみましょう。
休職する
身体に異変を感じたときは、医師の診断を受けて休職することも可能です。
周囲に迷惑をかけないために、身体の異変を無視して働き続けることは、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
体力やメンタルの強さは人によって異なるので、過労死になる前に早めに診断を受けることをおすすめします。
休職中は「傷病手当金」が受け取れるので収入面の心配はいりません。こちらの記事で詳しく紹介してるよ!
転職する
転職は労働環境が一変するため、非常に有効な手段です。
新しい職場で働くことで、労働環境が改善される可能性があります。
なお、疲労の蓄積から「しばらく休みたい」と感じている方は、一旦退職をして失業保険を受給しながら転職活動することもできます。
過労死を避けるためには、その職場環境から逃げることが大切です。
退職方法や転職方法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてね!
まとめ:仕事より命を優先しよう
過労死ラインを超えた労働は、命を落とす危険性があります。
「苦労して就職したから」
「みんなに迷惑をかけたくないから」
という理由で働き続けると、取り返しのつかないことになってしまいます。
仕事は1つではありません。仕事より命を優先しましょう。
- 過労死ラインは1ヶ月100時間、月平均80時間の残業
- 過労死する前に行動することが大切
- 仕事より命が最優先
これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。
それでは今日も素敵な一日を。
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