「今日は残業」っていうけど、どこから残業なの?
一般的には1日8時間を超えたら残業だよ!
そうなんだ!じゃあ残業したらいくらもらえるの?
よし!今回は残業の仕組みと金額を解説していくね!
残業に対して「どこから?いくらもらえるの?」という疑問を持ったことはありませんか?
「定時を過ぎた仕事」という理解は間違いではありせんが、正解でもありません。残業の仕組みを理解していないとブラック企業で疲弊してしまう可能性があります。
そのような状況にならないためにも、残業への理解を深めて、より良い労働環境を手に入れましょう。
- 残業になる時間・ならない時間
- 残業時間の上限と健康リスク
- 時間外手当の計算方法
残業の定義とパターン別の残業時間
原則、法律で決められた労働時間を超えた時間を残業といい、以下の2種類に分けられます。
法定外残業: 法律の労働時間を超えた時間
法定内残業: 会社の労働時間を超えた時間
法定外残業は、法律で決められた1日8時間または週40時間を超えた時間をいい、法定内残業は1日の労働時間が8時間未満の会社で発生する残業です。
この2種類の共通点は残業した時間分のお金がもらえることです。
うーん、ちょっと難しいね…
パターン別に解説するね!
①定時9〜18時の会社で20時まで勤務
この場合は2時間の法定外残業になるよ!
②定時9〜17時の会社で20時まで勤務
この場合は法定内残業が1時間、法定外残業が2時間になるよ!
③定時9〜18時の会社で土曜勤務(半日)
この場合は土曜日の3時間が法定外残業になるよ!
④定時9〜18時の会社で土曜勤務(1日)
この場合は法定内残業が5時間、法定外残業が2時間になるよ!
え、土曜日に働いてるのに休日出勤じゃないの?
シフト制ではありえるよ。会社によっては休日出勤になるから要確認だね!
残業の上限時間
いくらでも残業ができるわけではなく、以下のように法律で上限が決められています。
- 1ヶ月100時間
- 2ヶ月~6ヶ月で平均80時間
- 年間720時間(月平均60時間)
従業員が1人でも上限を超えると、会社に罰則が与えられます。会社は罰則を受けないために、従業員1人1人の労働時間を管理し、残業を減らす努力をしています。
1日単位の上限はないから、徹夜残業は違法じゃないよ。
時間外手当の計算方法と割増賃金
残業をすれば残業代として割増した給料がもらえます。これを「時間外手当」といい、基本給とは別の賃金として支払われます。
なかには深夜勤務・休日出勤・60時間を超えた残業など、時間外手当と異なった手当があり、表の通り法律で適用条件・割増条件が決められています。
実際の手当は時給×時間×割増率で計算された金額が支払われます。
割増率は企業によって異なるから就業規則で確認してね!
法定外時間外手当
法定外時間外手当は、法定外時間に対して支払われる手当です。支給額は残業時間に1.25倍の割増率と時給をかけて計算します。
正社員の場合は時給換算して計算するよ!
月給:260,000円
1ヶ月の平均労働時間:160時間
260,000円÷160時間=1,625円
1,625円が時給となる。
1ヶ月の平均労働時間は会社によって違うから確認しようね!
法定内時間外手当
法定内時間外手当は会社で決めている労働時間が8時間未満の場合に発生する手当です。
割増率は1.0倍なので、時給と同じ金額がそのまま支給されます。
時給:1,000円
法定内残業時間:1時間
法定外残業時間:2時間
法定内時間外手当:1,000円×1時間=1,000円
法定外時間外手当:1,000円×2時間×1.25=2,500円
合計手当額:3,500円
残業だけど割増がないんだね!
深夜手当
深夜手当は、22時〜翌5時までの深夜に働いた人に支給される手当です。
深夜手当は働いた時間に0.25倍の賃金が上乗せされ、「時間外手当+深夜手当」の金額が支給されます。
時給:1,000円
法定外残業時間:5時間
深夜時間:1時間
法定外時間外手当:1,000円×5時間×1.25=6,250円
深夜手当:1,000円×1時間×0.25=250円
合計手当額:6,500円
深夜残業は管理職も適用されるよ!
え、管理職って時間外手当ないの?
管理職は時間外・休日出勤手当は適用外だから時間外手当を引いた金額が手当になるよ!
ここでは2,625×0.25=656円となって、656円が支給されるよ!
休日出勤手当
休日出勤手当は、休日に勤務した時間に対して支払われる手当です。支給額は休日出勤で働いた時間に1.35倍の割増率と時給をかけて計算します。
時給:1,000円
休日労働時間:13時間
深夜手当:1時間
休日出勤手当:1,000円×13時間×1.35=17,550円
深夜手当:1,000円×1時間×0.25=250円
合計手当額:17,800円
休日出勤の労働時間が8時間を超えた場合であっても、法定外残業となりません。ただし、深夜手当は適用されるので1.6倍(1.35+0.25)の手当が支払われます。
また土日が休みの会社では、土曜日を法定外休日、日曜日を法定休日としており、土曜日の出勤に対して1.35倍の賃金を支払う義務がありません。
え?よくわかんない。
「休日に働いたら1.35倍になる」と覚えておこう!
残業60時間超
法定外残業が月60時間を超えると、割増率が1.25倍から1.5倍になります。たとえば月に80時間残業した場合は内20時間が1.5倍で計算されるのです。
時給:1,000円
1ヶ月の法定外残業:80時間
法定外時間外手当:1,000円×60時間×1.25=75,000円
残業60時間超手当:1,000円×20時間×1.5=30,000円
合計手当額:17,800円
この割増は大企業だけに適用されるよ!
え、そんなのズルいよ!
2023年4月からは中小企業も適用される予定だよ!
残業のリスク
やっぱり残業は儲かるね!たくさん残業しよう!
ちょっと待って!残業にはこんなリスクがあるよ!
- うつ病のリスク
- 過労死のリスク
長時間の残業で心身ともに疲弊してしまうと、病気やうつ病を発症するリスクがあります。うつ病は会社によって認められないケースもあるため注意が必要です。また法律の上限時間を超えた残業は、過労死リスクが高まるといわれています。
お金より自分の健康が大切です。過度な残業には健康リスクが伴うことをしっかり理解しておきましょう。
健康の大切さに気付いた時にはもう遅いよ…最初からしっかり考えようね!
まとめ:残業のルール・法律をしっかり学ぼう
お金がないと「残業して稼ごう!」と考えてしまいがちですが、自分の身体と健康が1番大切です。残業はお金がもらえても、健康リスクがあることを覚えておきましょう。
時間は寿命であり、「命」です。お金は取り戻せますが、時間は取り戻せません。
業務上の理由で残業をすることは仕方ありませんが、お金を稼ぐための残業はやめましょう。
- 残業時間は法律で決まっている
- 残業には健康へのリスクがある
- 残業や深夜・休日に働くと割増手当がある
これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。
それでは今日も素敵な一日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ!
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