開業届を出すと扶養から外れちゃうの?
提出する人や扶養されている人の状況によって外れることもあるよ!
そうなの?詳しく教えて!
扶養に入ったまま個人事業主として働きたいと考える方がいる一方で、開業届を提出することで扶養から外れてしまうかもしれないといった不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。
開業届を提出するだけで扶養から外れることは基本的にありませんが、いくつかの注意点があります。
開業届と扶養の関係を正しく理解して、自分にあった選択をしていきましょう。
- 開業届の提出で扶養から外れるケース
- 税金と社会保険の扶養の違い
- 開業届を提出する際の注意点
開業届を出すときの不安を解消しよう!
開業届を出すと扶養から外れる?
開業届を提出するだけで扶養から外れることは基本的にありません。しかし、収入金額や勤務先によっては扶養から外れる場合があるので注意が必要です。
扶養には「税金」と「社会保険」の2種類があり、扶養から外れる条件も異なります。
まずは、税金と社会保険の扶養について紹介するね!
1.税金の扶養
税金の扶養は、配偶者(特別)控除のことをいい、下図の「所得控除」に分類されます。配偶者控除には、扶養者(扶養している人)の税負担を小さくする効果があります。
配偶者控除と配偶者特別控除について詳しく解説するね!
配偶者控除
配偶者控除は、生計を共にしている所得48万円までの配偶者が対象となり、以下のように控除金額が決定されます。
たとえば、配偶者の所得が40万円で、所得800万円の人は38万円の控除が受けられます。
所得が1,000万円を超えると、配偶者控除が受けられなくなるから注意してね!
配偶者特別控除
配偶者特別控除は、生計を共にしている配偶者の所得が48万円を超えた場合に133万円までが控除対象になる制度です。控除金額は、以下のように決定されます。
たとえば、配偶者の所得が98万円で、所得800万円の人は36万円の控除が受けられます。
配偶者控除と同様に、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者特別控除は受けられません。
ここで紹介した配偶者(特別)控除は、所得税における控除額であるため、住民税での控除金額は自治体によって異なるので注意しましょう。
配偶者と自分の所得で控除額が変わるんだね!
2.社会保険の扶養
社会保険の扶養は、配偶者が勤めている会社の社会保険に一緒に加入できることをいいます。
社会保険の扶養に入れない場合は、国民健康保険や国民年金に加入する必要があるため、保険料を自身で納めなければなりません。
社会保険の運営者には、大企業などが独自で運営している「健康保険組合」、主に中小企業が加入している「協会けんぽ」があります。
協会けんぽの扶養に入るための条件は以下の通りです。
- 収入基準額が年間130万円未満
(60歳以上・障害がある場合は180万円未満)
- 配偶者であること
(内縁関係も含む) - 扶養者の年間収入の半分未満
個人事業主の収入基準額は、事業での必要経費を差し引いた金額となります。
たとえば、年間売上が150万円で、原材料費として30万円の必要経費があった場合は、収入基準額が120万円となります。
健康保険組合によって条件が異なるので、勤務先に確認してみてね!
開業届を提出する際の注意点
税金と社会保険の扶養条件は、複雑なケースが多いため、開業届の提出後に「扶養から外れてしまった」と、提出したことを後悔する人も多くいます。
開業届の提出後に後悔しないためにも、注意点を事前に押さえておきましょう。
勘違いされやすい注意点をピックアップしたよ!
開業届の提出で扶養から外れる場合がある
配偶者が加入している健康保険組合によっては、開業届を提出しただけで扶養から外れてしまうケースがあります。
社会保険の扶養条件は、健康保険組合ごとの独自ルールがあるため、勤務先によっては「開業届の提出=扶養から外れる」という対応になる場合があります。
扶養から外れると、保険料の負担が大きくなってしまうので、開業届を提出する前に扶養条件を確認しておきましょう。
税金と社会保険では経費の種類が異なる
税金と社会保険の扶養では、収入から差し引ける経費の種類が異なります。
たとえば、取引先とカフェで打ち合わせをした会議費は、税金の経費として差し引けても、社会保険では認められない場合があります。
社会保険の経費の範囲は、健康保険組合によっても異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
税金の所得は130万円超えてないけど、社会保険の収入基準額は130万円を超えている可能性もあるよ!
月10.8万円の収入があると扶養から外れる場合がある
社会保険の扶養となる収入は、将来の収入見込みによって判断されるケースがあります。
年間収入が130万円が基準となりますが、1ヶ月あたり10.8万円(130 ÷ 12ヶ月)を超える収入が発生した時点で扶養から外れることもあります。
年末に休んで調整することができないこともあるんだね…
まとめ:扶養内で開業届を出すかは事前の確認が重要!
開業届を提出する際は、開業届と扶養の関係を理解したうえで自分にあった選択をすることが大切です。
なかには、収入に関わらず開業届の提出によって扶養から外れるケースもあるので、配偶者の勤務先などで確認してもらうとよいでしょう。
開業届の出し方がわからない人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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