会社によって基本給や昇給額が違うよね?どうやって決まってるの?
その人の能力や経験から基本給を決めている会社がほとんどだよ!
でも、若くて仕事ができても基本給が低い人もいるよね?
それは会社の賃金制度や人事評価制度が関係しているんだ。詳しく解説するね!
「基本給はどうやって決まっているんだろう」
と疑問に思ったことはありませんか?
「毎年3,000円昇給している会社もあるのに、自分の会社は2,000円しか昇給していない」と不満に感じている方もいるでしょう。
基本給の仕組みを知るためには、会社の賃金制度や人事評価制度を理解する必要があります。
給与がどのように決まっているのかを知って、今後の就職や転職活動に役立てましょう。
- 基本給の決まり方
- 基本給が上がる仕組み
- 基本給から見た就職・転職のポイント
基本給の仕組みを知れば、将来の年収も見えてくるよ!
基本給とは
基本給とは、給与のベースとなるお金のことで、欠勤をしない限り固定で必ず支給される賃金のことです。
一般的に毎年行われる「昇給」は、基本給が上がることを意味しています。
なお、基本給には残業代や通勤手当などの各種手当は含まれません。
基本給は全員に支給されるのに対し、手当は働き方や家族構成など個人の状況によって支給されます。
また、基本給は「手取り額」ではありません。手取り額は、下図のように基本給や各種手当などの合計から所得税や社会保険料を引いたあとのお金です。
求人票に記載されている基本給は、所得税や社会保険料が引かれる前の金額が記載されているので、その金額が受け取れるといった勘違いをしないようにしましょう。
求人票の見方については、この記事で詳しく解説してるよ!
基本給の種類
一般的に基本給は、年齢や能力、仕事内容などに応じて以下の3種類に分けられます。
基本給は、それぞれの要素を組み合わせてできており、どの要素を重視するかで会社の昇給額が変わります。
基本給って細かい給与が重なったものなんだね。
会社によっては、給与明細で「職能給」と「職務給」で分けてる場合もあるよ!
年齢給
年齢給は、年齢によって決められる給与です。
一般的に年齢が高くなるほど、結婚や子育てなどのライフイベントが発生するため、年齢に応じて賃金が上がっていく仕組みになっています。
ただし、年齢給は個人のスキルや専門性が考慮されないため、導入している会社は減少傾向にあります。
職能給
職能給とは、業務遂行レベルによって決定される給与です。
勤務年数が多くなれば基礎知識や実務経験が身につくため、それに合わせて賃金が上がっていきます。
つまり、職能給ではスキルや専門性より、人としての能力を重視しているといえます。
たとえば、以下のような設定をしている会社が多いです。
- グレード1:指示に従って業務をこなす
- グレード2:担当業務を一人でこなせる
- グレード3:チームを配慮しながら仕事を進められる
仕事の進め方やリーダーシップなどを考慮して給与が昇給されるため、年齢給よりは仕事の成果が反映されます。
職務給(役割給)
職務給は、担当業務によって決定される給与です。
年齢や勤続年数に関係なく、仕事内容や責任の度合い、成果などに応じて賃金が決定されます。
たとえば、以下のように仕事内容によって賃金が決定されます。
- 営業職の管理職:50,000円
- 営業職のリーダー:30,000円
- 事務職の一般職:20,000円
そのほか、その人の専門性や経営への影響度など、さまざまな要素を考慮されることになります。
海外のほとんどの会社が職務給で給与が決定されるよ!
基本給が上がる仕組み
基本給は、多くの会社で毎年上がる仕組みになっています。この仕組みを定期昇給といいます。
しかし、昇給額は会社が採用している基本給の仕組みによって変わります。
ここでは、以下の3つのケースを例に基本給の上がる仕組みを解説します。
- 年齢と能力によって上がるケース
- 固定部分と昇給部分が分かれているケース
- 階級と役割によって上がるケース
年齢と能力によって上がるケース
年齢と能力によって基本給が決まるケースでは、職能給と年齢給の昇給額が異なります。それぞれの昇給額が、どのように決まっているのかを詳しく見ていきましょう。
年齢給
年齢給は年齢が高くなれば自動的に上がっていきます。
たとえば、以下のように結婚や子育てなどのライフイベントが発生する31歳で昇給し、子どもの学費がピークとなる44歳以上を上限としている場合があります。
この例では、一般職(非管理職)を6等級に分け、社員を該当する能力基準に当てはめて、職能給が決定されます。
周りを巻き込んで仕事を進める能力が高いほど等級が上がっていくのが一般的です。
職能給
勤続年数が長くなるほど、スキルや経験が身につくため、職能給が徐々に上がっていくように設計されているのが一般的です。職能給では、スキルの指標として「等級」が設けられている会社が多い傾向があります。
たとえば、以下のように等級が分かれています。
この例では、一般職(非管理職)を6等級に分け、社員を該当する能力基準に当てはめて、職能給が決定されます。
周りを巻き込んで仕事を進める能力が高いほど等級が上がっていくのが一般的です。
固定部分と昇給部分が分かれているケース
固定部分と昇給部分が分かれているケースでは、職能給の指標となる等級と人事評価で給与が変動します。
この仕組みでは、職能給が固定部分と昇給累積部分、変動部分の3つに分けられます。日本で最も多く採用されている方法なので、基本給がどのように決められているのかを確認してみましょう。
固定部分
固定部分は、等級に応じて金額が設定されており、すべての従業員が一律の給与を受け取ることになります。
等級は、毎年の人事評価で昇格・降格が能力に応じて判断されます。
昇給累積部分
昇給累積部分は、等級と人事評価に応じて、年1回の昇給額が決まる仕組みです。昇給額が毎年加算されるため、勤続年数が長かったり能力の高かったりすることで給与が高くなります。
変動部分
変動部分は、等級と昇給額によって変動する部分です。
等級ごとに最高額と最低額が設定されており、等級が上がれば最高額が上がる仕組みになっています。
また、人事評価のランクによって給与が変動するため、仕事の成果が給与に直結します。
社員を賃金表(賃金テーブル)に当てはめて基本給が決まるんだよ。
職務(役割)によって決定するケース
スキルや経験を重視しているジョブ型雇用をしている外資系企業などでは、職務によって給料が決まる仕組みを採用しているケースがあります。
この方法では、年齢に関係なく、スキルや専門性だけで基本給が決まります。
国内企業でも、管理職のみに職務給制度を適用する会社もあります。
基本給から見た就職・転職のポイント
基本給は、就職・転職する際に会社を選ぶうえで欠かせないものです。
ここからは、基本給から見た就職・転職のポイントを解説します。
初任給の高さだけで会社を選ばなくてもいい
初任給が低くても、人事評価が給与に反映される会社を選べば、長期的に基本給が高くなっていく可能性があります。
ただし、人事制度は基本的に公開されていないので、面接のときに賃金制度や人事制度について質問して判断しましょう。
やりたい仕事ができる会社に就職すれば、やる気や成果が評価されて給与は上がっていくよ!
仕事の成果が給与に反映される会社は、初任給が希望より低くても実力で上がっていくんだね!
賃金テーブルで基本給の限度額を確認する
多くの会社には、「賃金テーブル」というものがあり、給与の上限と下限がある程度決まっています。
一般的に賃金テーブルは、賃金規定(給与規定)に規定されており、誰でも見ることが可能です。
管理職の賃金テーブルや自社の最高額を確認することで、将来の年収の限度額が把握できるため、転職の判断材料になるでしょう。
たとえば、部長の賃金テーブルの最高額が月給50万円だった場合、年収は「600万円+賞与」が限度額になります。
もっと年収を上げたいと思った場合は、自社の給与を把握したうえで転職を検討した方がよいでしょう。
中途採用者はスキルや専門性が重視される
中途採用者の給与は、スキルや専門性を重視されることが多いです。
すでに大きな実績や資格を持っている場合は、職務給(役割給)を重視している会社に転職すると給与が高くなる可能性があります。
会社の基本給に対する考え方を見分けることが、転職で年収を上げるポイントの一つです。
やり転職の流れとおすすめの転職サイトは、この記事で詳しく解説しているよ!
まとめ:基本給の考え方は会社によって違う
基本給の決め方は会社によって異なり、昇給の仕方も異なります。
年齢や能力など、会社がどの部分を重視しているかで将来の年収に大きく影響することを覚えておきましょう。
- 基本給の決め方や上がり方は会社によって違う
- 賃金テーブルを見れば年収の限界が見えてくる
- 基本給の仕組みを知ることが将来の年収に影響する
これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。
それでは今日も素敵な一日を。
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