すごく給料が高くて良い求人票を見つけたんだ!この会社に転職しようと思ってるんだよね!
それ、45時間分の残業代を含んだ金額だよ…
え、どこを見ればわかるの?
求人票の見方を覚えなきゃ転職に失敗するよ。詳しく解説するね!
会社が従業員を募集するための求人票には、業務内容や給与額、勤務地などの労働条件が確認できます。
就職や転職をする際は、求人票に目を通して応募するところからはじまります。
そのため、求人票を見誤れば「思った条件と違った…」と入社後に後悔する可能性もあります。
求人票の見方をしっかり理解して、希望にあった会社に入社しましょう。
- 求人票で絶対見ておくポイント
- 求人票の見方
- 希望にあった求人の見つけ方
求人票はあなたの運命を決める重要な書類なので、しっかり理解しよう!
求人票を見る6つのポイント
求人票には、業務内容や給与額、勤務地など労働条件が細かく書かれており、1社分を見るだけでも時間がかかります。
そのため、自分がわかる項目だけを見て応募してしまう人もいるでしょう。
特定の項目だけ見て応募すると、想定していた労働条件と異なり、満足ができる就職・転職ができない可能性があります。
そのような状況にならないためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 残業
- 休日
- 会社概要
- 仕事内容
- 転勤の可能性
- 契約更新の可能性
残業
残業時間を見るときは、平均残業時間や固定残業代(みなし残業)を確認しましょう。
なかでも、平均残業時間が月45時間と記載されている求人は要注意です。
そもそも法律の上限残業時間が45時間であるため、平均残業時間が45時間の会社は長時間労働が常態化している会社と思って間違いありません。
また、固定残業代を導入している会社にも注意が必要です。固定残業代とは、毎月決まった残業時間分の手当が支払われる代わりに、一定の残業時間を超えない限り残業代が追加で支払われない制度です。
法律により、固定残業代を導入している会社は「毎月何時間分を支払うのか」を求人票に記載する義務があります。
そのため、固定残業代の労働時間数や金額が書かれていない場合は、怪しい会社として応募を避けた方がよいでしょう。
休日
休日の欄には、会社の年間休日数が書かれています。土日祝が休みの会社であれば約120日になるので、カレンダー通りに休みたい人は120日を目安にしましょう。
1日8時間・週5日勤務する仕事では「105日」が最低日数になります。なぜなら法律上1日8時間・週40時間が労働時間の上限となり、1年で計算すると260日が労働日数の上限になるためです。
つまり、年間休日が105日(365日-260日)に近いほど休日が少ない会社と認識しておきましょう。
労働時間が少なかったり交代制などのシフト勤務だったりすると、105日を下回ることがあるよ!
会社概要
求人票には会社概要が載っていますが、ホームページでも確認しておきましょう。
資本金や従業員数、事業内容など会社情報を確認し、どんな事業をやっているのか、将来性はあるのかなどをみておきましょう。
大企業でも決算報告書を見ると売上が年々下がっている会社もあるため、決算報告書が見れる場合はあわせて確認しておくことが大切です。
業績が上がっている会社の方が活気があり、収入が上がる可能性が高いよ!
仕事内容
2024年4月から求人票の仕事内容に「業務の変更の範囲」が記載されるようになりました。「業務の変更の範囲」とは、人事異動で将来変更される可能性がある業務のことです。
変更の予定がある場合は、求人票に具体的な業務内容が記載されており、変更の予定がない場合は「変更なし」と書かれています。
また、採用後の出向によって業務が変わる可能性がある場合は、その旨が記載されます。
転勤の可能性
転勤の可能性には「あり」か「なし」のどちらかが記載されており、「あり」と記載されている場合は「転勤する可能性のある場所」も記載されています。
たとえば、東京本店と大阪支店がある会社で、入社後に東京本店の勤務となった場合、転勤の可能性のある場所は「大阪支店」となります。
また、出向などで顧客や関係会社に常駐する可能性がある場合は、その場所が記載されます。
契約更新の可能性
雇用期間が決まっている「有期雇用契約」では、契約更新の可能性が記載されています。
更新の可能性が「ない」と明記されていれば、契約期間満了後は雇用関係が終了することになります。
一方、更新の可能性が「ある」場合は、更新回数の上限が求人票に記載されており、上限が設けられていない場合は、記載がありません。
また、契約更新には条件が課される場合があり、その条件が求人票に記載されていることもあります。「契約更新の条件」がある旨が明記されていれば、その内容を必ず確認しましょう。
求人票の見方
求人票は普段見慣れない用語で表記されてる箇所があり、理解せずに応募してしまうと、入社後に後悔することもあります。
それぞれの用語を理解して、失敗しない就職・転職をしましょう。
ここからは、求人票で間違いやすい項目をピックアップして解説します。
雇用形態の違い
雇用形態とは、契約期間や労働条件などで分けられる雇用契約の区分です。
- 正社員
- 契約社員
- 嘱託社員
- 派遣社員
- パート・アルバイト
- 業務委託契約
正社員
正社員とは、期間を決めずに雇用される雇用形態です。基本的にフルタイムで働き、定年まで働く前提で雇用されます。
正社員は、福利厚生が手厚くて雇用形態の中で一番安定しているよ!
契約社員
雇用期間が決まっている社員で、基本的にフルタイムで働く雇用形態です。
仕事の内容は正社員とほぼ変わりませんが、正社員より責任の度合いが低く、その分給与も低くなる傾向があります。
なお、契約の更新が数回行われ、雇用期間が5年を超えた場合は無期限契約に転換できる権利が発生します。
無期転換ルールについて、こちらの記事で詳しく紹介しています。
嘱託社員
嘱託社員は特定の専門的スキルを持った人で、雇用期間が決まっている社員のことです。
定年後の再雇用や、特殊な理由で雇用される社員に使われ、責任の度合いは契約社員とほぼ変わりません。
派遣社員
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結んで、ほかの会社に派遣される社員です。
派遣社員の特徴は、あらかじめ契約した業務以外はできない点です。そのため、派遣社員を受け入れている会社は契約外の業務を命じることができません。
また、同じ会社の同じ部署で働けるのは最大3年までと決まっています。多くの場合、同じ会社で3年働くと派遣先に直接雇用されるか、別の会社で働くことになります。
たまに紹介予定派遣って見かけるけど、それはどういう意味?
紹介予定派遣は、一定の期間を派遣社員として働いて、その後派遣先に直雇用されることが約束された雇用形態のことだよ。試用期間を派遣社員で働くイメージだね!
パート・アルバイト
パートとアルバイトは、労働時間が短い雇用形態です。
法律では「1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員などと比べて短い労働者」と定義されています。
ただし、会社によってはフルタイムでもパートとして雇用され、契約社員と変わらない働き方をする場合もあります。
アルバイトは、一般的に学生やフリーターに使われる言葉で、それ以外を「パート」と呼んでいます。
業務委託契約
業務委託契約とは、会社が自社で行う業務の一部を外部の個人や会社に委託し、報酬を支払う契約のことです。
現在は、フリーランスの増加や採用コストの増加などの影響によって、業務委託で求人を募集している会社が増えています。
採用されても会社に雇用されていないため、労働基準法の保護や社会保険の適用を受けませんが、労働時間の拘束や人事異動などがないため、時間と場所を自由に選びやすいのが特徴です。
ただし、確定申告をしなければならなかったり、失業保険がもらえなかったりなど雇用契約で働く場合と待遇が異なるため、慎重に検討してから求人に応募しましょう。
額面と手取り額の違い
求人票に記載されている基本給や年収などの給与額は「額面」で記載されています。額面は、税金や社会保険料が引かれる前の金額で、実際に受け取る金額ではありません。
実際に受け取る金額は「手取り額」といい、税金や社会保険料が引かれたあとの金額のことです。つまり、求人票に記載されている金額が毎月もらえる額ではないということです。
なお、手取り額の目安は額面のおよそ80%となります。たとえば、額面が230,000円であれば、約184,000円(額面の80%)が手取り額となります。
完全週休2日制と週休2日制の違い
休日には大きく分けて以下の2種類があります。
- 完全週休2日制:必ず毎週2日間の休みがある
- 週休2日制:1ヶ月に1回以上週2日間の休みがある
完全週休2日制は、主に土日休みの会社に使われ、毎週2日間の休日が約束されています。
一方、週休2日制は毎週2日間の休日があるとは限りません。
「毎週2日休める」と思って入社したら、週2日休めるのが月1回だったということのないように違いを覚えておきましょう。
年俸制とは
年俸制と聞くと、1年に1回一気に給与が支払われるイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。
年俸制は、年収が決まっているだけで、実際は12ヶ月に分けて毎月支払われます。
これは、労働基準法で「通貨で・直接労働者に・全額を・毎月1回以上・一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定されているためです。
え、プロ野球選手も毎月給与をもらっているってこと?
プロ野球選手は会社員じゃないから一概にはいえないけど、ほとんどが年俸を分割して支払われているよ!
社会保険完備とは
社会保険完備とは、健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4つの公的保険に加入するということです。
法律上、労働時間が正社員の4分の3以上であればすべての社会保険に加入します。
フルタイムにも関わらず求人票に「社会保険に加入しない」と記載があれば、業務委託として契約する可能性が高いでしょう。
なお、従業員数(社会保険の被保険者数)が101人以上(2024年10月からは51人以上)の会社では、週の労働時間が20時間以上で月額8万8千円以上の収入がある場合は社会保険に加入します。
社会保険完備は、労働者として雇用されるかのチェックポイントです!
理想にあった求人の探し方
求人票は希望にあった仕事を探すために見るものです。
今後のキャリアを意識しながら求人票を見るポイントを絞りましょう。
ここからは、5つのタイプに分けて求人票を見るべきポイントを解説します。
できるだけ休みたい・プライベート重視
「仕事はするけど、できるだけ休みたい」という方は以下のポイントを意識しましょう。
- 休日は120日以上
- 完全週休2日制
- 平均残業時間が少ない
この条件にあてはまるのは、大企業のような資産がある会社に多い傾向にあります。
また、最初から正社員でなくても、契約社員や派遣社員から正社員になる道もあるため、雇用形態に関わらず応募するとよいでしょう。
大企業の求人情報はリクナビNEXTやマイナビ転職などの大手転職サイトで豊富に掲載されています。
おすすめの転職サイトは、この記事で紹介してるよ!
やりたいことをだけをやりたい・専門特化型
やりたいことだけをやるためには専門に特化した求人を選ぶ必要があります。
専門特化型は以下のポイントを意識しましょう。
- 専門資格や経験年数が必要な求人を狙う
- 採用の必須条件に保有資格が入っている
- 嘱託や業務委託も視野に入れる
ひとつの業務に特化するためには専門性を証明する資格や、ある程度の経験が必要です。
会社で「あなたしかできない」というポジションを獲得すれば、専門職としてやりたいことが続けられます。
また、貴重な技術や専門性を持っていれば転職で年収アップも期待できるでしょう。
転職には、ジェイエイシーリクルートメントのような技術・専門職の転職に特化した転職サイトを利用することで、一般には公開されていない求人を閲覧できます。
専門特化型の転職サイトを利用して、自分のスキルを活かせる会社を探しましょう。
バリバリ働きたい・キャリアアップ思考
バリバリ働いて、キャリアアップを図りたいと思っている方は以下のポイントを意識しましょう。
- ベンチャー企業に絞る
- 企業ホームページ・SNSの求人情報を確認する
- 残業はある程度多くても仕方ない
- IT系など将来性がある分野が良い
ベンチャー企業は、新しいビジネスに挑戦しているため、日々さまざまな経験ができる環境です。実力があれば年齢に関係なく責任のある仕事が任されるため、急速にスキルアップができるでしょう。
一方、ある程度の残業や休日出勤は覚悟しなければならないので、仕事中心の生活になることを覚悟しましょう。
また、ベンチャー企業は資金が潤沢ではないため、求人サイトで募集をかけているとは限りません。会社のホームページやSNSで募集していないか隈なくチェックしましょう。
なるべく将来性のある業界を選択した方が良いです。会社がつぶれてしまったら、元も子もないからね…
自由な時間と場所で働きたい・フリーランス思考
現在ではリモートワークが浸透し、会社員でも場所にとらわれず、自由な時間に仕事ができるようになりました。
フリーランスのように働きたいという方は以下のポイントを意識しましょう。
- 在宅勤務の有無
- ワーケーションの有無
- 裁量労働制やフレックスタイム制の適用
まずは在宅勤務が可能であることは必須の条件です。
さらに、仕事をしながら旅行ができる「ワーケーション」を導入している企業だと、なお良いでしょう。
また、裁量労働制やフレックスタイム制を導入している会社であれば、出退勤時間が自由に決められます。
自由に働きたい方は、労働環境を重視して求人票を探そうね!
副業をガッツリしたい・副業戦士
本業をしながらガッツリ副業をしたい方は下記のポイントを意識しましょう。
- 副業を推奨している
- 残業時間が少ない
- 休日日数が120日以上
ポイントは副業を推奨している会社に絞ることです。副業を許可しているだけでなく、副業を推奨していることを前面に押し出している会社がよいでしょう。
副業を推奨しているかはホームページなどで確認ができます。副業推進企業に入社して、副業に積極的に取り組みましょう。
まとめ:理想の働き方を手に入れるには求人票の見方から
求人票は、将来の運命を決める重要なものです。
見慣れない用語があっても、一つひとつ理解をして理想の働き方を手に入れましょう。
- 求人票の残業・休日・会社概要に注目しよう
- 専門用語を理解してから応募する
- 働きたい条件にあわせた求人票を選ぼう
これからも「日本人がお金に強くなることが日本を強くする」と信じて、ブログやYouTube・Voicy、学校の授業をがんばります。
それでは今日も素敵な一日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ!
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